新たな、土曜日の夜の集会場 〜BMW Night Rider Meeting

アヘッド  新たな、土曜日の夜の集会場 〜BMW Night Rider Meeting

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晩秋というよりは初冬の冷たさを感じはじめた12月2日の夜、東京・お台場に400台を超えるバイクが集まった。BMWが仕掛けたイベント「ナイトライダーミーティング」に誘われてやってきたバイク乗りたちだ。

text/photo:山下 剛 [aheadアーカイブス vol.182 2018年1月号]
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新たな、土曜日の夜の集会場 〜BMW Night Rider Meeting

新たな、土曜日の夜の集会場 〜BMW Night Rider Meeting

主催はBMWモトラッドだし、場所はBMWグループトーキョーベイの敷地内だが、駐車されているバイクのBMW率は半分ほどで、ドゥカティやハーレーもいれば、ホンダやカワサキも目立つ。メーカーを問わず、土曜の夜に集まる。ただそれだけの趣旨で催されたからこそ、400台超という盛況になったのだろう。

そんな思惑が的中したというべきか、外れたというべきか。主催者たちは100人に満たない規模を想定していたというのだからおもしろい。BMW最新モデルを試乗車として用意した他は、併設されるカフェで無料のコーヒーを提供するのみだったが、BMWの発案者が「聞いていた以上なので、翌日の分のコーヒーまで無くなりそうだとカフェの担当者から報告を受けた」と困惑しつつも喜んでいたほど、多くのバイク乗りが集まったのだ。

保土ヶ谷PAや大黒PAといったかつての溜まり場が、世代交代もあって活気がなく、土曜の夜のウズウズした気持ちのやり場を求める人が潜在的にいたことも盛況の要因だろうし、台場というベイエリアであることも見逃せない。ウズウズを晴らしにバイクを走らせる動機として十分だ。

東京という大都会の中心に、バイクを400台集めてもあり余る土地を自由に使えるバイクメーカーはBMWだけで、このアドバンテージを生かさない理由はない。この施設にはクルマとバイクのディーラー機能だけでなく、多目的ルームもあれば、夜間照明の下でテスト走行やミニレースさえできるほど広大なドライビングエリアがあるのだ。新たなムーブメント、ひいてはカルチャーを生み、育んでいける土壌になりうる。

もっともあまり大掛かりになると多目的になりすぎ、却って集客数は落ちてしまうだろう。「土曜の夜にバイクを走らせる」というシンプルな動機になれば十分で、BMWは時間と場所を提供してくれればいい。もっとも魅力あるコンテンツは人であり、それぞれのバイクなのだ。だからこそ今回、想定を大きく上回る人数のバイク乗りが集まったのだ。

もちろんBMWのコストだってまったくのフリーではないだろうが、プロモーションの一環と考えれば決して高いものではないはずだ。

また、騒音や事故など懸念材料もある。だがいっぽうで〝健全なたむろ〟として成長していく可能性もある。たとえば毎月第3土曜日というように定例の場として開かれたら、日本のバイク文化の未来はちょっとおもしろくなっていきそうだ。

●BMW Night Rider Meeting 

「特別なおもてなしはしませんが、ライダーならどなたでも歓迎。ショールームがクローズした後のBMW Group Tokyo Bayをジャックしましょう!香り引き立つネスプレッソのコーヒーをご用意して、皆様のご参加をお待ちしております。」との呼びかけで始まった参加費無料の、”ただ集まる”だけのイベント。当日は予想を超えるライダーが集まった。

クルマでの来場は不可、だったためいわゆる冷やかしの来場者はいなかった。メーカーを問わない、というところにBMWの懐の深さを感じさせる。次回は2018年3月3日(土)に開催される。

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text:山下 剛/Takeshi Yamashita
1970年生まれ。東京都出身。新聞社写真部アルバイト、編集プロダクションを経てネコ・パブリッシングに入社。BMW BIKES、クラブマン編集部などで経験を積む。2011年マン島TT取材のために会社を辞め、現在はフリーランスライター&カメラマン。
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