パラツインへとシフトしたミドルデューク 〜KTM 790 DUKE

アヘッド KTM 790 DUKE

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毎年、エキサイティングで魅力的なニューモデルを発表するKTM。2018年の話題作は790 DUKEだ。まだ実車は日本に入ってきていないが、すでに発表されている情報を見るだけでも高いスペックや運動性が垣間見え、期待が高まる。

text:横田和彦 [aheadアーカイブス vol.184 2018年3月号]
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パラツインへとシフトしたミドルデューク 〜KTM 790 DUKE

パラツインへとシフトしたミドルデューク 〜KTM 790 DUKE

790 DUKEはエンジンからフレームまで、すべてが新規に作られたモデル。エンジンレイアウトはパラレルツイン(並列2気筒)。最初にそれを聞いたときは意外に感じた。個人的にスポーティモデル用のエンジンと言えばV型だと思っていたからだ。

ところがKTMはやってくれた。公開されたプロモーションビデオを見ると、相当パワフルでアグレッシブな性格であることが感じられるのだ。ここでKTMがパラレルツインを選んだのには深い理由があるはずと再考させられた。

エンジンの前後長を短くしてマスの集中化を実現しつつ、位相クランクを採用するなどして独特のトルクフィーリングを持たせれば、高い運動性能と操縦性を両立させたネイキッドモデルが完成するはず。そう想像すると一気に惹かれた。

実は過去に自分の中にある単気筒エンジンに対するイメージを大きく覆してくれたのもKTMである。その魅力にハマり690 DUKEのオーナーになった身からすると、今回のパラレルツインエンジンが、自分の固定概念をまた壊してくれるのではないかと大いに期待してしまう。

もう1つの注目点はディメンションである。690 DUKEシリーズは腰高で重心が高め。オフロードモデルから派生したスーパーモタード指向のディメンションで、超クイックなハンドリングが持ち味だった。

対して790 DUKEはエンジン搭載位置がグッと低く、フレーム形状やキャスター角などもよりロードモデル寄りの設定になっている。着座位置やハンドルのセット位置も低い。恐らくハンドリングは業界内でも評価が高い1290 SUPER DUKE Rに近いものではないかと考えられる。それも気になるポイントなのだ。

デザインは近代KTMのアイデンティティを踏襲した、低く構えた近未来的なもの。街中では間違いなく目立つ。そんなルックスを持つ軽量な車体に、パワフルかつ高度な電子制御により扱いやすく仕上げたエンジンを組み合わせるという方程式で作られたマシンが魅力的でないハズがない。

790 DUKEは、ミドルクラスのロードスポーツレンジに対するKTMの新たな挑戦だ。KTMが過去に送り出してきたマシンのことを考えると、今回も自分の想像を軽く越えてくることは間違いないだろう。唯一心配なのは試乗した瞬間、虜になり物欲を刺激されてしまうこと。今日もプロモーションビデオを見ながら、まだ逢えぬマシンに想いを馳せている。
■KTM 790 DUKE
ホイールベース:1,475±15㎜ 
乾燥重量:169kg 
エンジン形式:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
排気量:799cc
最高出力:77kW(105hp)/9,000rpm 
最大トルク:86Nm/8,000rpm 
タンク容量:14ℓ 
価格:¥1,129,000(税込)

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text:横田和彦/Kazuhiko Yokota
1968年生まれ。16歳で原付免許を取得。その後中型、限定解除へと進み50ccからリッターオーバーまで数多くのバイクやサイドカーを乗り継ぐ。現在はさまざまな2輪媒体で執筆するフリーライターとして活動中。大のスポーツライディング好きで、KTM390CUPなどの草レース参戦も楽しんでいる。
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