私の永遠の1台 VOL.20 ポルシェ 911 カレラ(997)

アヘッド ポルシェ 911 カレラ(997)

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こんな仕事をしていても、そもそも、僕はコロコロとクルマを買い換えるほうじゃない。気に入ったら、ずっと長く使い続けたいタチで。だから、これまで自分で購入したクルマの数って、とっても少ない。ここで書くのがちょっと恥ずかしいくらい少ない。

text:中兼雅之 [aheadアーカイブス vol.180 2017年11月号]
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VOL.20 ポルシェ 911 カレラ(997)

VOL.20 ポルシェ 911 カレラ(997)

クルマの買い換えの経験値がそんなに少ないのに、よくこんな仕事を偉そうにやれているなとお叱りを受けるかも知れないくらい、少ない。例えば、シトロエンのエグザンティア・ブレーク(1998年式)とは、16年間付き合った。つまり、その時は「一生乗るぞ!」という覚悟で乗る。だから、本題の「永遠の一台」は、当然「今のクルマ」になる。

【ポルシェ911カレラ(2005年式、type 997前期型)】
ちょうど3年前、社内の異動で初めて今の仕事に就いた時、職業柄、ポルシェの話題は頻繁に出るし、企画で取り上げることも多い。だから、自分で持ってもいないポルシェのことを扱うのは気が引けて。まあカッコ良く言えば、「ポルシェという存在を、このまま避けて通ることができるのか?」 の問いに、「ノー」を出したということです。

7万キロ近い走行距離の素のカレラは、買った当時でも10年前の中古車。それを最低でも10年乗ると決めた。10年前の中古車をこれから最低10年乗ると覚悟したわけだ。だから、120回払いの10年ローン。車体価格が450万円だったから、「国産の新車だってそれくらいのはいっぱいあるでしょ?」と自分に言い聞かせた。

でも正直に言うと、本当の動機は、背中を押してくれた当時小学生の一人息子だった 。僕は、息子と2人暮らしのシングルファザーだ。彼と一緒にクルマを楽しみ、ドライブを楽しめる時間、同じ空間で同じ感動を共有する時間はさほど多く残されていないから、彼が大賛成してくれたことは大きな「決め手」になった。

これ1台でスーパーへの買い出しやサイクリングや、スキーにも行く。息子と2人っきりだから、911でも支障はない。

そして10年後、彼が20歳を過ぎた時、こいつは彼に引き渡す約束。だからそれまで大事に乗らないといけない。そして10年後のその頃には、いい感じの値ごろ感になっているはずの現行Type 991を、私はまた10年落ちで買うのだろう。

いずれにしても「ポルシェ911」というクルマに生涯乗り続けることだけは確か。「生涯の1台」を選択するという行為は、「その生涯、その人生をどのように生きるのか」ということと同義だと思う。守りに入らず、攻めの姿勢で、少しだけ過度なものを求め未知の領域に踏み込もうとするチャレンジ。それができたら、人生も捨てたもんじゃない。

貴方は、ポルシェという存在を、このまま避けて通ることができますか。
▶︎996型をベースに、丸目のヘッドライトが復活するなどスタイリングを中心に刷新され2004年に発売されたのが6代目となる997。誰もが911と思えるフロントデザインが採用されたことは好感を持って受け止められ、911は再び人気を集めることとなった。基本構成は996を引き継ぎながらも電子制御というファクターを取り入れたのも997からであった。
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