セグウェイってどんな乗り物?

セグウェイの未来は、ロボットへと続いている

アヘッド セグウェイ

ブッシュ米大統領からプレゼントされた小泉首相が、セグウェイに乗って官邸へ出勤するニュースを覚えている人も多いだろう。二つの大きな車輪の間に人間が立ち、音もなくスイスイと走り回る乗り物は、新たな時代の到来を予感させた。セグウェイには既存の概念を書き換えるような〝ワクワク〟があり、まるでSFの世界が現実となるような〝未来〟があった。

そんなワクワクは世界中の人々が感じとり、現在ではアメリカとヨーロッパを中心に世界1000ヵ所以上の都市や公園施設でセグウェイが走っており、各地で500以上のセグウェイを使った観光ツアーが組まれている。さらに警察やセキュリティのパトロール用としても世界中で導入され、販売台数は10万台を突破している。

その背景にはいくつかの要因がある。まずはセグウェイの動力が電気であることで、排気ガスや騒音がない。さらにフル充電状態から約40㎞の走行が可能なうえ、充電にかかる電気代はわずか10〜20円とコストパフォーマンスが高い。

誰でも乗れる安全性も挙げられる。セグウェイが転倒せずに自立できるのは「倒立振子」という原理によっており、簡単に説明すると、ホウキの柄を下にして手のひらに立たせ、バランスを取ることと同じである。ホウキが倒れようとする方向に、倒れた分だけ手を移動させ続ければ箒は倒れない。セグウェイはこれを1秒間に100回行うことで自立走行を実現している。

そうした理由もさることながら、なんといってもセグウェイは楽しいのである! 重心を傾けるだけでスイスイーと走る感覚は、既存の乗り物では味わえなかった未来体験だ。三輪車のように安定しているのに、二輪車のように自由な乗り物。それがセグウェイのおもしろさである。

アヘッド セグウェイ

そんなセグウェイの可能性を、私たちよりもさらに先の未来に見据えているのが、セグウェイジャパン代表取締役・大塚 寛さんだ。

「日本におけるセグウェイの輸入販売を行っていますが、もともとはロボットプラットフォームとしてのセグウェイに注目したのがきっかけです。現在もセグウェイを使ったロボットの社会実験やソフトウェアの開発に取り組んでいます」

ロボットと聞くと鉄腕アトムやドラえもんを想像してしまうが、残念なことに彼らは未来ではなく、まだSFの世界のロボットだ。現在と未来におけるロボットとは、人間の代わりに作業を行う機械のことである。たとえば人間が入っていけない災害現場における救命や復旧作業をしたり、巨大施設の立体地図データを作成したりするロボットの移動手段、つまりロボットの「足」としてセグウェイを利用するのだ。

「ITは金融や輸送の世界を大きく変えました。ロボット技術もITとの連携を強めることでさらに進化していきます。また、ロボット事業はもっと人々の生活に根ざしたものであるべきで、そうした視点からもITとの親和性は重要です」

生活に密着したロボットとは、たとえば荷物を運搬するロボットである。つまり、使用者に追従するためのカメラやセンサーといった機器とそれらを制御するソフトウェアをセグウェイに搭載したキャリーロボットだ。週末の買い物やキャンプ、日々の買い物でも人間を助け、とくに身体障害者や高齢者の生活の幅を広げてくれる。自動運転技術が進めば、自宅にいながらにして買い物を済ませてくれるロボットになるだろう。

こうした機能をモジュール化すれば、さまざまな用途に対応できる。そのための最適なプラットフォームがセグウェイなのだ。

「そうしたロボットの実現には、安全性の検証と認知が重要です。セグウェイはそれ自体が魅力的な乗り物ですが、ロボットがある生活という未来への鍵でもあるのです」

アヘッド セグウェイ

現在、日本ではセグウェイで一般公道を走ることはできず、その原因のひとつは安全性が認知されていないことにある。そのためセグウェイジャパンでは、茨城県つくば市において特区申請を行い、つくば駅と研究学園駅周辺の公道において実証実験を重ねている。東京・二子玉川駅周辺では、東急電鉄と協同によって公道走行の準備を進めている。

また、観光と警備の分野においてセグウェイは非常に有効だ。

「セグウェイを導入したゴルフ場では、セグウェイに乗るためにプレイしにくるお客様もいますし、警備ではセグウェイの持つ未来的な新しさが市民の興味を引き、コミュニケーションが円滑になることで防犯効果が高まったという実例もあります」

未来とは、日々の生活をより豊かに変えていくことでもある。新たな観光資源の発掘と犯罪のない社会生活。セグウェイはそうした未来を作る大きな可能性を秘めた乗り物、いわばタイムマシンなのだ。

日本でもセグウェイに乗れる公園や施設が全国に10ヵ所以上ある。ドライブやツーリングがてら、セグウェイに乗って未来を体験してみよう。

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