岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.65 ズレてゆく“軽”への危惧
最近の軽自動車事情について常々考えていたことがある。考えていたというよりは、違和感をもっていた、と言った方がより正しいだろう。去年の販売成績を見ると、タントやN|BOXといった、背が高くて室内が広い分、重くて燃費が悪くて値段の高い軽自動車がベストセラー上位に陣取っていることがわかる。
軽自動車の本質とかけ離れたモデルばかりが売れているというのは決して健全な姿ではないと思うのだ。もちろん、そういう軽自動車があってもいい。けれど、アルトやミラ・イースといった軽の本質である経済性を押さえたモデルがちゃんと存在し、しっかりと売れて、そのうえで広さを追求したモデルや走りの楽しさを追求したモデルもありますよ、というほうが自然だなと。
text:岡崎五朗 [aheadアーカイブス vol.147 2015年2月号]