アンチマーケティングから生まれる FLEXのコンプリートカスタム

アンチマーケティングから生まれる FLEXのコンプリートカスタム

アヘッド FLEX

創業45年の実績を誇るFLEXは、1店舗1車種専門店展開を特色とし、全国に構える40店舗あまりで販売する中古車は、ほぼすべてカスタムされているという。

カスタムの内容はユーザーとの相談で決められていくが、そのセンスやノウハウは店舗が腕前を競うかのように、それぞれ独自に磨いてきたというから面白い。ゆえに、販売する中古車は1台1台の仕様が異なるのが当然だった。

今回、FLEXが発表したカタログモデルは、ベースとなる個体の程度による違いはあるものの、デザインやカラーはFLEXが仕上げた仕様で統一される、中古カスタムカーのパッケージ展示販売だ。

ファッション業界やグラフィック業界で活躍するデザイナーとのコラボレーションにより、これまでの中古車にない世界観をテーマとして、使う素材にもとことんこだわって創られているのが大きな特徴で、新車ではとうてい出すことのできない、中古車ベースだからこその味わいが大きな魅力となっている。

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例えばFLEX2014〜Summer Collection〜として用意された2タイプのシーズンモデル。ひとつは〝夏を楽しむクルマ〟がコンセプトの「PHOENIX」で、イメージは太陽と白い砂浜が広がるカリフォルニアのビーチだ。

ベースのランドクルーザー80は、これまで山や泥のイメージが強かったが、それを払拭して海でも似合うビーチクルーザーに仕上げている。足まわりをローダウンしたことで、街乗りにも浮くことがなく、シート生地には通常の5倍ものコストをかけ、乗り心地にこだわっているのも特徴だ。

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そしてもうひとつの「LESLIE」は、ランドクルーザー78プラドをベースに、爽快な海と空の色をまとった夏らしさ全開のモデル。涼しげなストライプのシート生地や、リアルウッドのナルディステアリングをあしらったインテリア、オーバーフェンダーを取り去ってスクエアなボディをアピールする外観など、クラシックな雰囲気が若者の感性を刺激しそうだ。

また、カスタムシリーズ第一弾として発表した「Wonder」は、ランドクルーザー60風のマスクが味のあるモデル。ルーフにはさりげなく本革をあしらい、黒のようなブラウンのような独特のボディカラーや、サイドパネルのリアルウッドが大人の本物感を醸し出している。

このカスタムシリーズは今後、年に3回ほどリリースする予定で、シーズンモデルもすでに秋冬バージョンを検討中。どんな仕様となるのか、今から楽しみになってくる。

こうした挑戦的ともいえる取り組みをスタートした理由を、藤崎社長はこう語ってくれた。

「クルマはかつて、ファッションの最前線をいっていた時代があったと思います。でも今は、例えばiPhoneのように高いお金を払っても欲しいと思えるような、カッコいいものたちと競合にすらなれていない。だからもう一度、クルマをファッションという側面から盛り上げていきたいというのが、理由のひとつです。そしてもうひとつの理由は、アンチマーケティング。世の中の大多数の人たちが求めるものにフィットさせた商品を創るのではなく、イノベーションしたい。そんな想いがありますね」

聞けば、カスタムシリーズの開発には3年もの月日がかかっているという。広報担当の荒氏は、「いちばん大変だったのは社長のこだわりが強すぎたことでしょうか」と笑う。商品開発担当の川上氏も、「Wonderのボディカラーはなかなか納得できなくて、3回くらい塗り直したんです」と打ち明けてくれた。

そんな藤崎社長の言葉はどれも、力強く前を向いているものばかり。そこにはカリフォルニアの夏のように、熱くもカラリと爽やかな追い風が吹いていると感じた。これからさらに、FLEXが新たな中古車の世界を見せてくれることは間違いなさそうだ。

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text:まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。

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