クルマ作りがこだわり続けたヒストリーガレージの10年 vol.2 息をするクルマ

vol.2 息をするクルマ ーヒストリックカーコレクション

アヘッド vol.2 息をするクルマ ヒストリックカーコレクション

モーテルのガレージから顔をのぞかせるのはキャデラック。隣には、懐かしのアメリカンバー。角を曲がればドイツの街並みが現れ、その先にはナポリの小道。両脇の建物からは洗濯物がぶら下がり、フィアットが窮屈そうにたたずんでいる。狭い回廊を抜けていくと、見えてきたのはパリの広場。壁に映し出される古き良き時代の映像―。

実車のリアルさを味わわせんがために、実車以外の部分にまで拘ってしまうのがヒストリーガレージ流。世界の街並みを表現している壁面は、アメリカのフェイク専門業者の手作業によるもので、「このクルマはきっとこんな街を走っているんだろう」と見る者の想像力を駆り立てる。

だからだろうか。映画「オールウェイズ 3丁目の夕日」ではないが、当時を知らない世代でも、そのクルマが生きてきただろう世界観にスッと入り込むことができるのだ。

入り込める理由はもう一つある。

通常ならば、貴重なコレクションを展示する場合、触れないように規制ロープを張ることがほとんど。だが、ここではロープが見当たらない。むしろ、近づいて自由に写真を撮って構わないし、スタッフに声を掛ければ、乗り込めるチャンスだってある。さらに、貴重だからとしまいこんでしまわず、時には走らせる。

扱いのラクさをとるなら、剥製化して隔離展示するという選択もあるだろう。でも、ここのスタッフたちの判断基準はそこではない。再現された街の中で、ヒストリックカーはちゃんと息をしながら、歴史を今に見せ続けている。

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