岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.37 幼稚園バスのシートベルト

シトロエン DS5

濃密に表現される「シトロエン」らしさ

アヘッド シトロエン

「DS5は自動車という工業製品です。しかし、われわれはそこに、オートクチュールの美しさを与えようとしたのです」。DS5とは、要するにそういうクルマである。多くの人が思い浮かべる従来の自動車像とは発想からして違うのだ。

もちろん、ベントレーやロールスロイスといった数千万円レベルの超高級車なら、身も心も痺れるような別世界感を味わうことができる。しかし、多くの人がちょっと頑張れば手に入る価格帯でここまで「美」と「個性」にこだわり抜いたクルマなど、僕の知る限り他にはない。

DS5を初めて見る人の多くはおそらくギョッとするだろう。彫りの深いプレス成形や、サイドに入ったサーベルラインも個性的だが、最大のポイントは独特なフォルムにある。セダンでもなく、ハッチバックでもなく、クーペでもなく、さりとてステーションワゴンでもない。

従来のどのジャンルにも当てはまらないフォルムだけに、見た人の心に「?」マークがいくつも浮かぶのは当然だ。そしておそらく、10人中7〜8人の胸中から?マークが消えることはないだろう。DS5が狙っているのは残りの2〜3人。すべての人に嫌われないクルマではなく、一部の人に好かれることを目指した、実にシトロエンらしいアプローチだ。

外観もさることながら必見なのはインテリア。時計の金属ベルトからインスピレーションを得たというレザーシートや、これでもかというほど立体的なダッシュボード、各部の素材、質感、仕上げは、まさに冒頭のオートクチュールという言葉を連想させる。

少なくとも4ケタ万円は投資しなければ、これほど濃密な世界観をもつインテリアは手に入らないと断言できる。手の届くオートクチュール。ちょっと矛盾した表現かもしれないが、DS5の独自性と魅力と価値はそこに集中する。

グランツーリスモとステーションワゴンを融合させた独自のフォルムを持つフレンチ・プレミアムカー。エクステリアデザインにはエアロダイナミクスも融合されており、高速走行時の安定性や燃費性能に貢献している。質感の高いインテリアや3分割された大型のガラスルーフを装備している。

車両本体価格:¥4,000,000(Chic)
全長×全幅×全高(mm):4,535×1,870×1,510
車両重量:1,550kg 乗車定員:5人
エンジン:ターボチャージャー付き直列4気筒DOHC
総排気量:1,598cc
最高出力:115kW(156ps)/6,000rpm
最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1,400〜3,500rpm
JC08モード燃費:11.3km/ℓ 駆動方式:前輪駆動

メルセデス・ベンツ Bクラス

コンパクトハッチ以上 ミニバン未満

アヘッド ベンツ

先代Bクラスは、Aクラスよりも余裕のあるユーティリティを求める人のために用意された「大きなAクラス」だった。

今回登場した新型も基本的には同じコンセプト。しかし大きく変わったことがある。ひとつはAクラスとの関係性だ。新型Aクラス(日本未発売)がより鮮明にスポーティー路線を打ち出してきたことにより、Bクラスがファミリーカーとして果たす役割はさらに高まるだろう。

もう一点はハードウェア。優れた衝突安全性、電気自動車や燃料電池車への対応力を謳って先代のAクラスとBクラスに採用されたサンドイッチフロアだが、2代目でついに廃止となった。ただし将来の電動化に備えるため、フロア後部はバッテリー搭載スペースを簡単に用意できる構造になっているという。

最大のライバルであるVWゴルフと比べてひと回り大きいボディが生みだす室内は驚くほど広々している。ラゲッジスペースも巨大だ。タワーパーキングに収まる全高を備えながら、ミニバンに近い使い勝手を実現していると報告できる。ただし全高を1540㎜に抑えるため最低地上高がスポーツカー並みの105㎜になってしまったのは気になるところ。自宅ガレージに段差がある人は購入前に要チェックである。

燃費と動力性能の両立を狙った新設計の1・6ℓターボは、7速DCTとあいまって小気味よい走りをみせる。メルセデスらしいドッシリした粘りのある乗り味ではなく、より軽快でスポーティーなのだ。ただしランフラットタイヤの影響もあり大きな突起に対してはゴツゴツ感が目立つ。ファミリーカーとしてはもう少ししなやかな乗り心地が欲しいところだ。一方、レーダー型衝突警告システムをはじめ、クラスの枠を超えた数々の安全システムを満載しているのはメルセデスらしい部分。299万円〜という価格を含め、Bクラスはメルセデスブランドの間口を大きく拡げるものになるだろう。

ダイナミックなスタイリングと広い室内空間、優れた実用性を両立した多目的モデルがフルモデルチェンジ。大型化されたフロントグリルなどによりスポーティな印象となった。全高は65mm低くなりワイド&ロースタイリングを強調。エアロダイナミクスに優れ、高い空力性能を備える。

車両本体価格:¥2,990,000(BlueEFFICIENCY)
全長×全幅×全高(mm):4,365×1,785×1,540
車両総重量:1,450kg 乗車定員:5人
エンジン: DOHC直列4気筒ターボチャージャー付
総排気量:1,595cc
最高出力:90kW(122ps)/5,000rpm
最大トルク:200Nm(20.4kgm)/1,250-4,000rpm
JC08モード燃費:16.0km/ℓ 駆動方式:前輪駆動

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