岡崎五朗のクルマでいきたい VOL.38 世界で闘うための変革

アウディ Q3

アウディならではの造りの緻密さ

アヘッド アウディならではの 造りの緻密さ



Q3が属するコンパクトSUVはいまもっともホットなセグメントだ。人気の秘密はいろいろあるが、主だったものを挙げれば「乗用車の近い運転感覚と使い勝手」をもちながら「乗用車を凌ぐユーティリティー」を備え、なおかつ「SUVならではのカジュアルな雰囲気を備えている」点だろう。

そんな特徴が、ランドクルーザーのようなヘビーデューティーSUVではトゥーマッチだが、普通のワゴンやハッチバックではつまらないと考える多くの人たちから高い支持を集めている。

勢力分布を見ると、CR─V、デュアリス、RAV4といった日本勢が圧倒的な強みを見せているのだが、そんな激戦区に挑戦するにあたってアウディはどんな戦略をとってきたのか? ひとことで言えば「徹頭徹尾アウディである」ことだ。ボディサイズやユーティリティ、エンジンスペック等に目立った部分はない。

けれどそのデザインを見ればたちどころにアウディであることがわかる。シングルフレームグリルと呼ばれる派手な顔立ちや、LEDを使ったライト類など、ディテール面ももちろんそうだ。しかしそれ以上に、全体から漂ってくるクオリティの高さが、Q3をアウディらしく見せている。

たとえばこの種のクルマで定番のブラックのフェンダー。普通は無塗装の樹脂で済ませるところだ、アウディはしっかりと塗装を施している。その他、シャープなプレスラインや複雑な面構成、チリ合わせの精密さ、クールな高級感を漂わせるインテリアなど、すべてが他のアウディと同じ手法でつくられているのである。

もちろん、走り出してもそんな印象は裏切られない。なかでもスムースなエンジンと強固なボディ剛性が生みだす質の高い走り味は、他のコンパクトSUVでは決して味わえないもの。価格は張るが、コンパクトSUVにプレミアム感を求めるなら、現状、Q3ほど高い満足感を与えてくれるモデルはない。

グランツーリスモとステーションワゴンを融合さアウディ初のプレミアムコンパクトSUV。クーペに通じるスポーティなフォルムをまとったエクステリアはダイナミックなもの。LEDのライティング類が先進性を象徴している。エンジンは環境性能が高くパワフルなTFSIガソリンユニット。フルタイム4WDシステムquattroを装備する。

車両本体価格:¥4,790,000(2.0 TFSI quattro 211PS)
全長×全幅×全高(mm):4,385×1,830×1,615
車両総重量:1,610kg 乗車定員:5人
エンジン:直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ
総排気量:1,984cc
最高出力:155kW(211ps)/5,000-6,200rpm
最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1,800-4,900rpm
JC08モード燃費:12.6km/ℓ
駆動方式:フルタイム4WD

日産 ニューモビリティコンセプト

バイク以上 クルマ未満

アヘッド 日産 ニューモビリティコンセプト




EV界のパイオニアである日産が新コンセプトのEVとして提案しているのがニューモビリティコンセプト(NMC)だ。

道路運送車両法に則ったモデルではないため、日本で正式なナンバーは取得できない。現在は、社会実験として大臣認定を取得して公道試験を行っている段階だ。

NMCの最大の特徴はコンパクトなボディにある。クルマとスクーターのちょうど中間だと思えばいいだろう。最高速は80㎞/h、1充電あたりの航続距離は100㎞。定員は2人で、バイクのように前後に座る。オプションでハーフドアは付けられるが、窓はなし。エアコンもなし。駐車時に雨が降ればバイクと同じようにシートは汚れる。ヘルメットは不要。シートベルトは付いている。

こんなクルマ誰が欲しがるのか? そう思う人もきっと多いだろう。僕も最初はそう思った。けれど、クルマ側からではなくバイク側から見れば納得できる部分は多いし、将来有望なジャンルであるとも思える。

NBCは軽いため搭載するバッテリーが小さくて済む。航続距離に関しても、この種のクルマであれば100㎞走れば十分。だから価格を抑えられる。用途としては、バイク以上クルマ未満の新ジャンルとして、地方のお年寄りから都市内モビリティまで幅広い。

実はこのモデル、日産のパートナーであるルノーが開発したモデルで、フランスでは「Twizy」というネーミングですでに販売されている。お年寄りの足というよりは、むしろパリのような駐車が困難な街中での移動手段として受け入れられているようだ。

将来的な化石燃料の枯渇を念頭に置くと、多用なエネルギーから作り出せる電気で走るEVは持続可能なパーソナルモビリティを確保する切り札になる。国には、法整備、専用駐車スペースの設置や税金面での恩典などを総動員して、この超高効率EVの普及を強力に後押ししてもらいたい。

持続可能なゼロ・エミッション社会への提案となるEVのコンセプトモデル。「近距離移動及び個人用途に適した新しい二人乗り小型モビリティ」「誰にでも運転や駐車がしやすい車両サイズ」「オートバイと同等の機動性と高い安全性を両立」「走行中の排出ガスゼロ」を具現化している。

全長×全幅×全高(mm):2,340×1,190×1,450
車両総重量:470kg 乗車定員:2人
最高速度:80km/h 最高出力:15kW
バッテリー:リチウムイオンバッテリー
容量:6.1kWh
航続可能距離:100km(欧州の測定モード)
充電方式:200V普通充電

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