アンダー250ccが未来を創る

アンダー250cc が未来を創る

オートバイの未来を考える

アヘッド KAWASAKI Ninja250R

KAWASAKI Ninja250R
水冷 DOHC 並列2気筒248cc
最高出力:31ps/11,000 rpm
最大トルク:21Nm/8,500 rpm
車両重量:168kg
車両本体価格:¥533,000


初めて乗ったバイク。その時に感じた加速感や解放感。それがいくつの時だったのかを忘れてしまうことはないと思う。バイクを何十台も乗り継いだ人や、十代の一時期にだけハマった人も皆等しく覚えているはずだ。それが50㏄のスクーターだったり、家にあった父親のカブだったり、とにかく小排気量のなにかであることが大半だろう。

二番目に乗ったバイク。これは、いろいろあるに違いない。多くは小型や中型の免許を取得した後、明らかな趣味として乗り始めた最初のバイクがそれに当たる。ある人は、トレール車に乗って河原でジャンプしたり、ある人は、レーサーレプリカで峠で膝をこすったり、ある人はテントを積んで北海道を目指したりしたのかもしれない。

いずれにしても、原付とは比べものにならないエネルギーをコントロールできる資格を得られたことと、それを実践できたことは、その後の価値感にも大きく影響したはずだ。

アヘッド aprilia RS4 125

aprilia RS4 125
水冷 DOHC 単気筒124cc
最高出力:15ps/10,500 rpm
最大トルク:10.9Nm/8,250 rpm
車両重量:145kg
車両本体価格:¥449,000


なんでも一番目は新鮮。でも本当に大切なのは、時間とお金を費やして、わざわざ手に入れた二番目のバイクだ。そして、そのバイクといかに素晴らしい時間を過ごせるのかが肝心なのだ。

アラフォーと呼ばれる自分たちやそれ以上の世代は、この“二番目”のバイクに関する思い出やエピソードに事欠かない。それだけ選択肢が多かったということでもある。言い換えれば正常にステップアップしていけた時代だった。50㏄を手始めに、やがて小中排気量で経験を積み、大型免許を取るのに散々苦労して、晴れてビッグバイクの世界へ。

そんな風に適正なタイミングと、選ぶべき適正なバイクが数多く用意され、自分なりの道筋を吟味することができていたのだ。ところが、その適正なバイクの数がこの20年程で大幅に減少していた。メーカーのチカラはビッグバイクばかりに注がれていたから…。

アヘッド KTM 125 DUKE

KTM 125 DUKE
水冷 DOHC 単気筒124.7cc
最高出力:15ps/10,500 rpm
最大トルク:12Nm/8,000 rpm
車両重量:118kg
車両本体価格:¥449,400


すでに大型2輪の免許を持ち、キャリアを積んだライダーでないと、バイクそのものを楽しみにくいという状況だった。雑誌を見れば、1400㏄だの190馬力だのというとんでもないバイクがゴロゴロと存在し、中型車に目を向けるとスクーターしかないように見えた。

バイク本来の心地よさを感じる手頃なモデルがいつの間にかなくなり、大き過ぎるか、高過ぎるかのどちらかしかないというのが現実だった。

ところが最近は小中排気量車にも手頃なスポーツバイクが戻ってきた。2008年にカワサキから発売されたニンジャ250Rをきっかけに、今年はKTM 125 DUKE、アプリリア RS4 125もリリースされ、そのホビー感覚と作り込みの両立が広く受け入れられている。そんな中、最も新しさを感じさせるのが、ホンダから発売されたCBR250Rだ。

アヘッド HONDA CBR250R

HONDA CBR250R
水冷 DOHC 単気筒248cc
最高出力:27ps/8,500 rpm
最大トルク:23Nm/7,000 rpm
車両重量:161kg *ABS仕様は165kg
車両本体価格:¥449,400 *ABS仕様は¥499,800


カウリングの質感や走りのポテンシャルは高く、イイオトナが手に入れても不満はないだろう。エンジンは250㏄の単気筒で27馬力だからパワフルではないが、ちょっとおもしろいのは、76.0㎜×55.0㎜というボア×ストローク。

というのもこのスペックは、同社のトップモデルであるCBR1000RRの数値(76.0㎜×55.1㎜)とほぼ同じなのである。つまり、1000RRの4気筒エンジンから1気筒を取り出したモノが250Rだ。そう考えると、そのスケール感やポテンシャルがさらに魅力的に思えてくる。

また、ホンダらしいのは、世界中でワンメイクレースを予定していることだ。安価なコストでレースができるのはもちろん、ワンメイクゆえのコンペティティブな争いの中から有望な選手が育成されるに違いない。

CBR250Rはレースだけでなく、最初のバイクとしてや、リターンライダーの久しぶりの相棒としてもかけがえのない一台になるはず。それがいつか、通過点になるのかもしれない。だが、それぞれのライダーのもう1台の二番目として、自分史に輝く思い出の一台になっていく存在になるだろう。

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text:伊丹孝裕/Takahiro Itami
1971年生まれ。二輪専門誌『クラブマン』の編集長を務めた後にフリーランスのモーターサイクルジャーナリストへ転向。レーシングライダーとしても活動し、これまでマン島TTやパイクスピーク、鈴鹿八耐を始めとする国内外のレースに参戦してきた。国際A級ライダー。

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