岡崎五朗のクルマでいきたい vol.31 本質に立ち向かった軽

vol.31 本質に立ち向かった軽

アヘッド 岡崎五朗のクルマでいきたい

30㎞/ℓといえば「デミオ・スカイアクティブ」と同じ数字。より小さい軽自動車なら別段不思議ではないと思う方もいるだろう。けれど、ミラ・イースとアルト・エコの数字は、従来の10‌:‌15モードよりも条件的に厳しいJC08モードでの結果。デミオ・スカイアクティブをJC08モードにかけると燃費は25㎞/ℓまで落ちる。要するに、ハイブリッド車を除けば、燃費1位がアルト・エコ、2位がミラ・イースとなるわけだ。

これはとても喜ばしいニュースである。公共交通機関の発達していない地方で下駄代わりに使われている軽自動車は、排気量やボディサイズに制限をかけられるのと引き替えに、税金面での恩典を受けている。

ところが最近の軽自動車には、ターボを積んでリッターカー以上に速く走り、リッターカー以上に室内が広く、リッターカー以上に豪華な装備をもつモデルが少なくない。そしてそんな軽自動車の燃費はたいていリッターカー以下なのだ。

にもかかわらず税制面での恩典を受けているのは誰の目から見ても不公平だし、こんな状況が続けばいずれ国から目を付けられ、発泡酒と同じように増税される可能性は十分ある。そうなったら、庶民の足として広く受け入れられている軽自動というジャンルそのものがなくなりかねない。

そういう意味で、安くて燃費もいいという軽自動車の本質(=優れた経済性)に立ち返ったミラ・イースとアルト・エコは軽自動車の救世主的存在だ。ただし両車とも軽量化と低コスト化を重視するあまり、基本的な安全装備である後席のヘッドレストレイント(頭部保護拘束装置)まで省略してしまっている。

これはいくらなんでもやり過ぎである。物事の“さじ加減”とはおしなべて難しいものだが、追突されたら一発で頸椎を痛めてしまうような危険なクルマを世に送りだす姿勢は、即刻改めていただきたい。

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