岡崎五朗的『ジャガー論』「美しくあれ、 高性能であれ」

初心に返った新生ジャガー

アヘッド 初心に返った新生ジャガー

●JAGURE『XFR』 
車両本体価格:¥12,000,000
総排気量:4,999cc
最高出力:375kW(510ps)/6,000-6,500rpm
最高トルク:625N・m(510ps)/2,500-5,500rpm
ジャガーコール TEL: 0120-050-689 www.jaguar.com/jp/ja/

その一方で、あまりに多くの名車を輩出したがために、ジャガーのイメージは固定化される傾向があった。冒頭で書いたように、創始者のサー・ウィリアム・ライオンズは「美しくあれ、高性能であれ」とは言ったが、決してクラシカルであれとは言っていない。

しかし、多くのジャガーファンは変わることを望まず、いつしか多くの人はジャガーに対し「年配の人が乗るエレガントでラグジュアリーなクルマ」というイメージを抱くようになったのだ。実際、'90年代後半から2000年初頭に発売されたXタイプ、Sタイプ、先代XJはクラシックジャガーの要素を積極的に採り入れたデザインを採用していた。

そんな中、初心に立ち返り「美しくあれ、高性能であれ」という理想をゼロから問い直した意欲作が、2008年に発売されたXFだ。大きく傾斜したウィンドスクリーンと美しい弧を描くルーフラインはクーペのように美しく、モダン。

従来のジャガーは、どちらかといえばツイードのジャケットを着た英国紳士に似合うクルマだったが、XFが似合うのはダークスーツ姿でロンドンの金融街を闊歩するエグゼクティブ…そのぐらい大きなイメージチェンジである。そこには、過去を断ち切り、新しい時代における「美しくあれ、高性能であれ」を追究したジャガーの姿が如実に表れている。

ドライブフィールも変わった。世界屈指のパフォーマンスと官能性を誇る5ℓV8エンジンやスポーティーな走りを約束するサスペンションなど、そこには現代のスポーツサルーンに求められる要素が惜しみなく投じられている。

しかしXFのスポーツ性は決してこれ見よがしのものではなく、ドライバーがそれを望んだときのみ発揮される。とてつもないパフォーマンスを持ちつつも、普段はゆったりとした気持ちで快適なクルージングを楽しむことができる。こういった懐の深い大人のスポーツに仕上がっているのがジャガーのジャガーたる所以であり、XFの魅力でもある。

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