ミドリムシが世界を変える

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それが『ユーグレナ』である。和名はミドリムシ。そう、理科の時間に習った、植物と動物の両方の性質を持っている単細胞生物のアレのことである。

と聞けばイッキにゲテモノ的な印象を抱くのだが、ミドリムシはムシの名を持つものの実際には藻の仲間で、各種ミネラルやアミノ酸、ビタミン、不飽和脂肪酸など59もの栄養素が含まれたスーパーフード。しかも細胞壁を持たないため栄養素を吸収しやすいという特性もあるのだという。味も抹茶のようで、意外に美味しい。

しかしこのミドリムシ、もといユーグレナの可能性は食の面だけではない。なんと、次世代を担うスーパーエネルギーとしての可能性も秘めているのだ。

私事だが昨年、私はあるビルの前のバスが異様な存在感を醸し出しているのに足を止めたのを思い出す。ボディには『ミドリムシで走る環境にやさしいバス』と書いてあった。

そう、それこそがこのユーグレナの屋外大量培養に世界で初めて成功した東大発のベンチャー企業・株式会社ユーグレナと、いすゞ自動車が共同研究するバイオディーゼルバスで、そのビルはいすゞの本社であった。

このようにすでに実証実験がスタートしているのだが、ミドリムシの育て方を工夫すれば、体内に軽油に近い油を作らせることが出来るのだという。その油を抽出・精製すればバイオフューエル(生体由来の燃料)の出来上がり、というわけだ。

この燃料は将来的に、飛行機に用いられるジェット燃料に加工することも視野に入れ開発をされているから、これから地球規模で化石燃料の枯渇と闘わなければいけない時代に、まさに救世主とも呼べる存在になり得るかもしれない。

さらにミドリムシは窒素やリンを吸収する特性があるため、水質浄化にも期待が持たれ、将来的には赤潮の発生など環境汚染の改善にも一役買いそうだ。

しかも別の抽出技術を使って、アンチエイジング用化粧品も開発されているから、こちらの進化も非常に楽しみ。夢の古代微生物は、その小さな体で世界(と私たちの美肌)を救うかもしれない。

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text:今井優杏/Yuki Imai
レースクィーン、広告代理店勤務を経て自動車ジャーナリスト。WEB、自動車専門誌に寄稿する傍らモータースポーツMCとしての肩書も持ち、サーキットや各種レース、自動車イベント等で活躍している。バイク乗りでもあり、最近はオートバイ誌にも活動の場を広げている。

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