オンナにとってクルマとは Vol.71 夏の甲子園の立役者

Vol.71 夏の甲子園の立役者

あとで知ったことだが、甥っ子の代になってからの試合では一度も勝つことができず、弱小チームの烙印を押されていたという。それが1回戦の2点差を追う9回2死、走者なしからの大逆転勝利で流れが変わった。

2回、3回、4回、5回戦と勝ち進み、ついに千葉県170校のベスト8に。まさしく夢の中にいるような気持ちで、球児たちの一打一投に歓喜と溜息を重ねた準々決勝。でも奇跡がふたたび起こることはなく、私たちの夏は終わった。悔しくも清々しい夏だった。

東へ北へとクルマであちこちの球場へ応援に駆けつけ、気づいたのは駐車場の主役が圧倒的にミニバンだということ。父兄たちが乗り合いで来たり、大きなクーラーボックスや何十個というメガホンの入った箱、ウチワや弁当など荷物も多く、応援団やブラスバンドが横断幕やノボリ、楽器などを積み降ろしている光景を目にすることも多い。

古くからある球場は駐車場の区画が狭く、乗り降りにはスライドドアが重宝するし、リアゲートの横開きドアから乗り降りできるステップワゴンが、実際に活用されているシーンを初めて見ることができた。

朝8時台にプレイボールとなる第一試合では、遠方だと5時起きで球場に向かうこともしばしば。寝不足で運転してきたお父さんたちが仮眠している姿もあれば、応援に飽きてしまった幼い子どもたちの遊び場になっているミニバンもある。これらは野球だけでなく、バレーボールをやっている姪っ子の大会で行った競技場でも目にしたから、多くのスポーツに共通していることなのだろうと思う。

この夏、日産が初めて自動運転技術「プロパイロット」を搭載した新型セレナをお披露目したが、当初はなぜそんな大役にミニバンを選んだのか、実はあまりピンときていなかった。でも今は、それがどんなに素晴らしいことなのかを実感している。

ミニバンはファミリーカーとして家族の毎日を支えるだけでなく、多くのスポーツ選手とその関係者たちの夢をのせ、疲れた心と身体を癒して次の夢に向かって走っていく。その夢が奪われることのないよう、安全最優先のミニバンがもっともっと増えることを願っている。

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まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。

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