オンナにとってクルマとは Vol.60 目指すはセダンのリアシート

Vol.60 目指すはセダンのリアシート

ところが最近、それとは対極にあるいいオンナの存在に気がついてしまった。料理が運ばれてきても、その女性は微動だにしない。わぁ美味しそうなどと言って微笑んでいるばかり。

すると同席していた男性が小皿をつかみ、女性に取り分けてあげている。女性が嬉しそうにお礼を言うと、男性もまんざらでない表情だ。彼女は今、まちがいなく男性を気分よくさせている。何にもせずただ微笑んでいるだけで、満足させている。

そうか、これこそが本当のいいオンナなんだと、私の世界はコロリと変わった。

そういう視点で見てみると、クルマもちょっと印象が変わる。これまで、女性をいちばん美しく見せてくれるのはクーペだと信じてきた。くびれのあるボディラインで見た目には手を抜かず、包まれるような室内空間が適度に自分を甘やかし、研ぎすまされた走行性能は心に潤いをくれる。そんなクーペを颯爽と乗りこなす女性は、いいオンナの美と成功の象徴だった。

ところがそれも、上質なセダンのリアシートでくつろいでいる女性のオーラにはかなわないと気がついた。普段は自分で運転していても、たまには誰かにステアリングを預けて、流れる景色とともに自由で優雅な時間に浸る。

ひとりで頑張るばかりじゃなくて、自分のことを思いやって大切にしてくれる人がいるのが、本当のいいオンナだ。セダンからは、その存在が伝わってくるのだった。

メルセデス・ベンツCLSがトレンドを創ったと言われている、クーペのようなボディラインの4ドアセダンが、今年はジャガーXEやVWパサートなど立て続けにデビューしている。ひと昔前のオヤジセダンとはちがう、女性が運転しても似合うセダンたちだ。

素敵なセダンはいいオンナをつくる。今では、セダンのリアシートに乗せてもらえるような女性が私の目標になった。

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まるも亜希子/Akiko Marumo
エンスー系自動車雑誌『Tipo』の編集者を経て、カーライフジャーナリストとして独立。ファミリーや女性に対するクルマの魅力解説には定評があり、雑誌やWeb、トークショーなど幅広い分野で活躍中。国際ラリーや国内耐久レースなどモータースポーツにも参戦している。

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